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2012年11月13日 (火)

OSJ八ヶ岳スーパートレイル100マイルレース【装備編】

今回の八ヶ岳スーパー100マイルの装備選択は今まで参加したレースの中で一番難しかった。

制限時間がタイトなだけではなく、デポ(預けていた荷物の交換所)が中間の80km前後ではなく、後半と言える110km地点という中途半端な場所にあり、そこに至までのエイドでの食料は期待できないので、ある程度食料を多めに持たねばならず、防寒着も持たなければならなかったからだ。

制限時間は、第1関門(60km)12時間後、第2関門(100km)18時間後、第3関門(145km)27時間後となっており、ただ安全策をとって多くの装備を持ち過ぎてたのでは、今度は重さが負担となり速度が出ないので関門通過が難しくなる。

自分に110kmのデポ地点まで日没までに軽装で走破できる脚があれば問題ないのだが、どう考えても実力的には夜間に到着するので、防寒着の大胆な省略は出来なかった。また、先行する60km部門、100km部門の選手達が先にエイドを通過している為、各エイドの食ベ物が無くなっている可能性も想定して完全にエイド頼りにする事もできなかった。

レース中も人によって装備がバラバラで見ていて面白かった。パックが荷物でパンパンで、それはいくら何でも多く持ち過ぎだろう?という人もいれば、ペッタンコのパックやウェストポーチだけで、それはいくらなんでも少な過ぎだろう?という人もいた。果たしてあの重装備、軽装備だった人達はゴールできたのだろうか?


2012年11月3日(土)の当日の天気と気温は以下。

スタート地点のプール平 朝5時 -5℃

野辺山付近の最低気温 -7.5℃

野辺山付近の最高気温 7.7℃

コース最高地点 大河原峠の最低気温 -10℃(-11℃との情報もあり)

天気は2日間に渡り快晴で、ほぼ無風だったのは幸いだったが、気温は例年より相当低かったようだ。気温的には予想外の「まさか」が起こったといっていいだろう。

そして、今回の装備は以下となった。(※印は下記で詳細を書いたもの)


y100m_408
140kmを過ぎた後の早朝の白樺湖湖畔にて。最も着こんだ装備の状態。

(Photo by Harimane-san & Haritengu-san)



【上半身ウェア】


■スキン:
Finetrack / フラッドラッシュスキンメッシュ (袖なしメッシュのアンダーウェア)


■ベースレイヤー:
Salomon / XR 1/2 Zip Tech T-Shirt (半袖トレイルラン用シャツ)

Smartwool / アームウォーマー (メリノウールのアームウォーマー)


■ミッドレイヤー:
Patagonia / capline 4 zip neck expediton edition ※ (フリース長袖)



■アウタージャケット:
OMM / Kamleika Race Jacket (兼レインウェア) ※


■防寒着:
Haglofs / Lim barrier pull over (260gの化繊ライトダウン)



【下半身ウェア】


■パンツ:
Patagonia / Speedwork Tights ※  (厚手の秋冬用トレイルランタイツ)
(インナー:CW-X/スポーツショーツ)

<デポ追加>
Patagoni / Traverse Pants ※  (ストレッチ性あるパンツ)



■防寒着:
SHMW / Minimalist Pants   (超軽量、超撥水のウィンドパンツ)



■ヘッド、ネック:
Buff   (チューブ型のバンダナ)



■ハンド:
TNF / Winter Runner Grove  + 薄手フリースインナー ※





■シューズ:
HOKA ONE ONE / STINSON EVO ※





■トレイルランパック
Salomon / SKINPRO 14+3 ※





■ストック
自作 / RS-98 (デポで追加)

■その他
レギュレーション:エマージェンシーシート、救急セット、携帯電話、ホイッスル等

ライト:Petzl / MYO XP (予備バッテリー x1)




以上の構成だった。

結局、松原湖のエイドやデポの八千穂レイクには焚火があったり、大河原峠や女神湖では風を防げるテントがあったこともあったので、スタートからゴールまでエイド滞在時でも1度もダウンを着る事は無く、パックの重石になっていた。

以下は、特に気になったものをピックアップして解説。


《アウタージャケット》

OMM / Kamleika Race Jacket

Kamleika_race_ja_2


今回のレイヤリングは、合宿で八ヶ岳を走った時の状況を参考にした。その日の八ヶ岳の縞枯山や北横岳山頂付近は天気が良く日中なのに良く冷えた。所々霜もあった。これが2週間後の夜ならさらに冷え込む事は容易に想像できた。特に気になったのが腰からお尻の冷え方だった。背中から汗が流れて腰からお尻に汗が溜まり、そこで汗が冷えた結果だった。合宿の最後にプール平の蓼科温泉に入ったが、湯船に浸かってもまだお尻が冷たかった。この長時間にわたる臀部と腰の冷えは内蔵の機能低下や血行を悪くすに違いないと思い、帰ってからその対策をどうするか最優先で考えていた。

そして、お尻をカバーできる何かは無いか?と探していたら、OMM /  Kamleika Race Jacket が目に留まった。画像を見ておわかりのとおり、サイクルジャケットのようにテールが部分が長くなっており、すっぽりとお尻をカバーできる。また、ソフトシェルでありながら防水機能があり、ウィンドジャケットとしても、レインウェアとしても機能して1着で2役をこなし、重さはサイズSで270g程度を切るので軽量化とパックの省スペース化と一石二鳥なのも決め手だった。

 

(実際)
スタートから30kmの第3エイドまで着て走っていたが、ジャケットの裏に汗が全くたまっておらずサラサラ。汗を吸って重くなることもない。暑い時はジップを胸まで開けていた。フードもフードに付いたベルクロでまとめられるので、走行中のバタつきもなく、レインウェアでありながらウィンドジャケット感覚で着られるという狙いはバッチリだった。そして、問題の夜間。ストレッチ性があり始終体にフィットし続けていて、激しい動きで裾がめくれ上がるということもなく、常に臀部をカバーし続けてくれたので、臀部の冷えは最後まで全く感じなかった。

透湿性と防寒性に優れ、軽い。そして何といっても腕をふってもシャリシャリと絹擦れ音がしないのがいい。これといって欠点が見つからない素晴らしいソフトシェルジャケットだった。

その他、気になる点としては、胸ポケットに何かをいれると汗抜けの途中に障害物がある為、汗が留まってしまい、特に防水対策せずにスマートフォンなど入れると汗で濡れてしまうので注意が必要だ。 特に気になったのはそれくらいだった。

 


《ミッドレイヤー》

Cap4

Patagonia / Capline 4  Expedition Weight Zip-Neck

暑すぎず、寒すぎず、汗抜けが良く、そして軽くなったと ギア好き仲間の間で話題になっていた新しくなったキャプ4。当初はダウンジャケットを常に所持するのでこのフリースはデポに置くことも検討していたが、最悪の事も想定してスタートから着る事にした。また、SHMWさんのキャプ4(Hoody)の使用記事が購入の決め手となった。

(実際)
スタート5時から11時位まで着用。その後、13時頃に到着した第1関門までは脱いでいたが、その後第1関門からゴールまで最後まで着続けていた。 汗抜けが良く、アウタージャケットの透湿性と相まって常にドライ感をキープし、適度に体温を保持してくれた。今回、頭部にはbuffだったので首と頭の保温はbuffでおこなう予定だった為、フードの無いZip-neckを選んだのだが、もし当日もっと風が強かったらフード無しを選んだ事を後悔しただろう。



《グローブ》

Tnfwrg


THE NORTH FACE / Winter Runner Glove (予備:montbel シャミースインナーグローブ)

今回iPhoneとrunmeterでログをとっていたので、スマホ対応のグローブが欲しくて購入。手の甲にカバーがあり、指をかぶせられるのだが、保険としてフリースのインナーをパックに入れておいた。

(実際)
日中は手の甲のカバーはしまい、夕方からカバーをかぶせてミトン状態にした。iPhoneはそんなに操作はしなかったので、スマホ対応じゃなくても今回は困らなかった。寒さ的には110kmのデポまでこれだけでOKだったが、大河原峠までの長い長い登りの林道の高度7割程到達した時に、急激に手が冷たくなってしまい、慌ててフリースのインナーグローブを装着した。 もしインナーが無かったらその後のダメージは大きかったと思う。前半はこのグローブで、後半はデポに真冬の山用のグローブに交換しても良かった。

 

《パンツ》

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Patagonia / Speedwork Tights

ある程度の防風性があり、裏地が若干起毛している少し厚手のタイツ。絞めつけ感があまりなく履き心地が良いので気に入っている。合宿でテストして調子が良かったので当日も履くことにした。

(実際)
履いている時に違和感を感じず、蒸れや寒さを一切感じない存在を忘れる程の空気のような存在。これって当たり前のようで実は凄い事。最初から最後まで着替える事なく使用。

Patagonia / Traverse Pants(デポで追加)

(実際)
Speed work tightsの上に重ね着した。デポから最高(最寒冷)地点の大河原峠へアタック~女神湖~白樺湖湖畔まで着用。ストレッチ性があり動きやすく、ある程度の防風性があり、寒いと感じる事は一度も無かった。



《トレイルランパック》

Sasp14


Salomon / SKINPRO 14+3

当初、UltrAspire / OMEGA で行く予定であったが、ダウンや防寒着を頻繁に出し入れできるほどサイズに余裕が無くより容量の大きい、Skinpro14+3にした。本当は装着感はOMEGAの方が好みなので同社のFASTPACKが良かったのだが品切れする程の人気商品なので購入できず。また、選択したもう1つの理由はハイドレーションの構造。SKIN PROは背中の下から、脇腹を通って、胸元まで体に密着した状態でハイドレーションのチューブが通っているの為、体と常に密着しているので、極寒の中でもチューブの凍結が防げるのではないか?と期待していた。

(実際)
防寒着を脱いだり着たりということが何度かあったので、大容量で中身の収納順番を気にせずに気軽に出し入れする事ができたのが良かった。また、腰の大きなメッシュポケットに食べ物やiPhoneや、デポからはサーモスのボトルまで何でも放り込んでいたが、中身が落ちる事も無く使いやすかった。また、懸念していたハイドレーションの凍結は期待通り身体に密着するチューブ通過構造により凍結を防げたようだ。ちなみにハイドレーションに付属していた保冷袋を抜いて、背中で水を温めていたことも記しておく。このパック選択もバッチリだった。また、ベストタイプなので1枚服を着ているような状態だったのも体温のキープに1役買っていたのかもしれない。

《シューズ》

Hoka_stinsonevo

HOKA ONE ONE / STINSON EVO

今年5月以降のレースは全部このシューズで参戦。特に地面の硬いロードと林道が多く、テクニカルなトレイルが少ないこのレースにおいて、クッション性の高いHOKAは絶対有利だと思っていた。

(実際)
予想通りのロードの多さだったが、HOKAのクッッション性に助けられて130km地点まで脚はノーダメージだった。その後は実は足首を痛めて失速したのだが、その理由については次回の大会編で原因を書きたい。



『ウェア総評』

ダウンジャケットはスタートからゴールまでザックの中にあり、トイレいに行っても一度もブルッと震えて寒いと思う事なく終わったことから、今回の気候でのウェア選択についてはある程度上手く行ったと思っている。特に今回初めて使用したOMMのKamleika Race Jacketの防風、透湿性が素晴らしく、いくら汗をかいてもジャケット内がベタ付くことが無かったことでレイヤリングがこれまで以上に上手く行ったと思っている。今後これが無い秋冬のトレイルランは考えられないほどの存在になってしまった。






【補給食】

仮に110kmの八千穂レイク(デポ)に到着するのが信越五岳と同じ16時間台の21時として、1時間に1個ジェルを摂るとしても、最低16個は必要な計算となる。本当は30分に1個くらい摂取が良いのだろうが、それだとサポートが無いと全部背負うのは所詮無理な重量となってしまう。しかし、今回のコースはトレイルが少なく、瞬発力を要する場面が少ないと思っていたので、それよりもなるべく固形物の摂取で体から熱を発せさせようと思っていた。その為、ジェルの数は10個に減らしてフラスクに入れた。固形物を何にするかで悩んだのは、おにぎりは重くなるし、おにぎりやパワーバー等はマイナス気温になると凍ってしまうかもしれない。なので軽くてカロリーが高くて、凍らないものを探すと、「柿の種」が一番だった。合宿の際に柿の種をペットボトルに入れて持参して、そのトウガラシによる発熱効果を確認できたので、大会でも使う事にした。1時間に1回ジェルを補給しつつ、登りがある時に、胸ポケットにある柿の種を一口食べながら進んだ。ジェルの少なさを柿の種で補完するようなイメージだ。また、混ざっているピーナッツに含まれる水分のおかげで喉が乾きすぎるという事も無かった。それ以外、足りないものはエイドでの飴やチョコ、パワーバーに期待する事にして、全てのエイドにあるわけではないので、ジップロクの袋を持って、その時の状況に合わせて袋に多めに確保するようなスタイルにした。

また、ジェルを今回自作した。チームROD内で自作ジェルがちょっとブームになり、粉飴(マルトデキストリン)と市販のシロップとはちみつを混ぜてオリジナルのジェルを作った。シロップはカルピスのショウガシロップでこれも飲むと若干身体が温まる効果を期待した。また、市販の硬いジェルは凍る可能性があるので、半分は市販のジェル、半分を自作ジェル(緩め)構成にして凍った際の保険という意味もあった。


今回の補給食は以下の構成となった。


【前半】Start~110km

ハニースティンガー 5個分

自作ジェル 5個分※

パワーバー 2個

柿の種ボトル(500ml)※

あんぱん 1個

とらやのスティック羊羹 2個 (いただきもの)

ハイドレーション:エレクトラショッツ


【デポ】(その場で補給したもの)

おにぎり 3個(2個食べて1個は後半へ持参)※

チップスター(ミニ) 1本

ホットコーヒー(サーモス)


【後半】110km~160km

ハニースティンガー 5個分

自作ジェル 5個分

パワーバー 1個

ハニースティンガーグミ 1個

メイタンCCC200  2個(眠気覚まし)※

とらやのスティック羊羹 1個

おにぎり 1個

柿の種ボトル(500ml)

ハイドレーション:エレクトラショッツ



(実際)

●ジェル:
前半は走れるロードが多く、固形物よりもジェルを多く消費して、第一関門以降でジェルが足りなくなってしまった。なので、上記の数は失敗だと思って欲しい。あと5個、やはり1時間1個分は持つべきだった。しかし、第一関門でグレープフルーツをおそらく丸1個は食べて、さらに第一関門に居た移動すぽるちばエイドサポートもあり、そこでお腹を満たしたので第二関門までエネルギー不足になる事を免れた。

自作ジェルはたいへん美味しく、そして飲みやすく、凍結も防げて良かったのだが、飲んで直ぐに「キターーーッ!」というパワー感が足りなかった。やはりその辺は市販のジェルに敵わない成分があるようだ。真似していろいろ混ぜるのも良いが、そうなると安く済ませる意味が無くなってしまうので、まだ実戦投入には検証期間が足りなかった。


●柿の種:
柿の種は少し小腹が減ったら一口食べるという事を繰り返し、空腹になるという事が無くゴールまで辿り着いたので、柿の種作戦は成功と言っていいだろう。しかし、これをボトルに入れて走ると、熊鈴を驚愕する程のウルサさ!(笑)。先日のNHKスペシャルのTJARの番組で小野選手がペットボトルに柿の種を入れていて、先日あるイベントでご本人にお会いした際に柿の種ペットボトルはうるさくないか?と訊いたところ、「TJARはそうペースが速くないのでうるさくなかった」とのことだった。走れる場面が多いトレイルではトレイルMIXのようにジップロクの袋に入れた方が良さそうだ。


メイタンCCC200
大河原峠アタック中の夜中の2時~3時くらいにこの日の眠気が襲って来てフラフラになったが、メイタンを1発飲んだら効果てきめんであった。カフェインについては危険性もよくニュースになるが、この製品は今後も地味に販売してもらいたい。



『補給食総評』

前半については大失敗ではないが、60点くらいであった。エイドでの「チームすぽるちば」と「チームROD」からのサポートや地元のおもてなしが無ければ第二関門到達は怪しかった。後半は大河原峠のスーパーすぽるちば&こあしす山民会エイドに助けられ、第三関門の女神湖エイドでは手作りのおにぎりと豚汁を沢山いただけたので、各区間ほぼ無補給で行けるくらいお腹いっぱいで、補給食やジェルが余りまくってしまった。補給食計画についてはかなりグダグダになってしまった。


というわけで、実際のレースのレポートは次回【大会編】へ続く・・・

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コメント

初めまして。
ヘッドランプをGENTOS / HW-888H HEAD WARSじゃなくて、
Petzl / MYO XPにされたのはなぜでしょうか?
明るさ、バッテリーの持ちともGENTOに軍配が上がりそうですが。

投稿: じゅん | 2012年12月26日 (水) 16時01分

>じゅんさん
こんにちは。
GENTOSは電池ボックスが壊れてしまい、今使えるのが
XPしかないという理由です。でもゆっくり走るならXPでも十分なので気に入ってます。

投稿: ランブラー | 2013年1月 3日 (木) 18時34分

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